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観覧車をロケに使っている映画やドラマ/ホームメイト
観覧車と聞くと、ロマンティックなシーンを想像する人も多いのではないでしょうか。美しい風景を望む個室空間でゆったりとした時間が過ごせる観覧車は、他のアトラクションとは一味違う特別な空間です。ドラマや映画でも、作品の重要なシーンに度々登場しています。「観覧車をロケに使っている映画やドラマ」では、観覧車の登場シーンが印象的だった代表的な作品を見ていきましょう。
夜行観覧車

「夜行観覧車」は、小説家「湊かなえ」(みなとかなえ)氏のミステリー小説をもとに、2013年(平成25年)にテレビドラマ化された作品です。ドラマに登場する観覧車は、117mの高さを誇る「葛西臨海公園」(東京都江戸川区)の「ダイヤと花の大観覧車」です。10話すべてにこの観覧車が登場し、最終回も観覧車のシーンで締めくくられています。
最終回には、「観覧車は不思議な乗り物だ。どこにも行けない。どこにも行けなくたって良い。昨日から今日、今日から明日。変わらずに回り続けることがどれほど幸せか、今なら分かる。」というセリフが登場。人生を観覧車に例えたこのセリフが、シリアスな印象を持つドラマの雰囲気をさらに引き立てたとされています。
恋空

ベストセラーとなったケータイ小説が原作の「恋空」は、2007年(平成19年)に映画化された恋愛映画です。
恋空に登場する観覧車も印象的ですが、このシーンの舞台となったのは、高さ17.5mのミニ観覧車がある栃木県鹿沼市の「千手山公園」(せんじゅさんこうえん)。主人公カップルの大切な場所として描かれ、作品のファンが訪れたい聖地のひとつとして話題を呼びました。映画公開以降、「鹿沼市観光物産協会」が観覧車乗客数の増加を発表するほどの人気で、翌年に制作されたテレビドラマ版でも再登場しています。
第三の男

1952年(昭和27年)に日本で公開された「第三の男」(原題:The Third Man[ザ・サード・マン])は、「第二次世界大戦」直後のウィーンを舞台にした「キャロル・リード」監督の犯罪映画です。
主人公「ホリー・マーチンス」と第三の男「ハリー・ライム」の再会シーンの舞台となったのが、ウィーンのシンボルである「プラーター公園」の大観覧車。観覧車のゴンドラ内で繰り広げられる緊迫したシーンが、作品の大きな見せ場になっています。この観覧車を見ようと、今もなお訪れる人があとを絶ちません。
恋人までの距離(ディスタンス)
1995年(平成7年)に日本で上映された「恋人までの距離(ディスタンス)」(原題:Before Sunrise[ビフォア・サンライズ])は、「リチャード・リンクレイター」監督が手がけた映画です。一夜限りの出会いを描いた珠玉のラブストーリーとして高い評価を受けました。のちに「ビフォア・サンセット」(原題:Before Sunset)、「ビフォア・ミッドナイト」(原題:Before Midnight)と続く3部作の1作目としても有名です。
「恋人までの距離」にも、プラーター公園の大観覧車が登場します。ヨーロッパを旅する途中の列車内で出会った主人公「ジェシー」と「セリーヌ」が、映画の中盤でプラーター公園を訪れて大観覧車に乗り、人生や愛について語り合うのです。高所から街を見下ろしながら、2人の関係性も新たな高みに達していくかのようなシーンは、作品の中でも特に印象的なシーンのひとつとなりました。
女と男の観覧車

2017年(平成29年)に公開された「ウディ・アレン」監督の作品「女と男の観覧車」(原題:Wonder Wheel[ワンダー・ホイール])は、1950年代のニューヨーク・コニーアイランドを舞台にした映画です。
物語は、主人公「ジニー」の複雑な人間関係を中心に展開。ジニーは、人生に不満を抱えながらも、コニーアイランドの遊園地で働く夫「ハンプティ」との生活を送っています。ジニーの元夫との息子「リッチー」や、ハンプティの疎遠だった娘「キャロライナ」も登場し、家族や恋人との関係は観覧車の回転のように複雑に絡み合いながら進展。観覧車は、背景や舞台装置ではなく、登場人物達の人生の浮き沈みや感情の起伏を象徴する重要な要素として描かれ、華やかな遊園地の象徴である一方、人生の無常さや運命の巡り合わせをも表現しています。さらに、ジニーの感情や状況の変化も観覧車の回転とともに描かれ、視覚的にも物語の象徴となりました。