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お化け屋敷プロデュースとメディア戦略/ホームメイト

近年、お化け屋敷は「恐怖体験」の場から、エンターテインメント産業の重要な一角を占めるまでに進化しています。特に注目されているのが、映画、テレビドラマ、ゲーム、アニメなど、他のメディアとのコラボレーションを通じたプロデュース戦略です。この戦略は、お化け屋敷の魅力を高めるだけでなく、関連メディアの宣伝・広告にも大きく貢献しています。「お化け屋敷プロデュースとメディア戦略」では、お化け屋敷におけるメディア戦略の現状と、その背後にある創造的なプロデュース手法について詳しく見ていきましょう。

メディアとの親和性が高いお化け屋敷

メディアとの親和性が高いお化け屋敷

お化け屋敷とメディアのコラボレーションは、2000年代後半から本格的に始まりました。

2007年(平成19年)、「富士急ハイランド」(山梨県富士吉田市)のお化け屋敷「戦慄迷宮」(せんりつめいきゅう)は、人気サバイバルホラーゲーム「バイオハザード」とコラボレーション。ゲームと同様、襲ってくるゾンビを倒すというシューティング要素を加えたイベントを期間限定で開催しました。このイベントが大きな反響を呼び、これ以降、様々なメディアとお化け屋敷のコラボレーションが増加します。

2011年(平成23年)には、ハリウッド映画「パラノーマル・アクティビティ2」の日本公開に合わせ、「東京ドームシティアトラクションズ」(東京都文京区)に期間限定のお化け屋敷が登場。映画さながらのセキュリティカメラで監視された部屋を進み、超常現象を体験するという「没入型」の恐怖体験が提供されました。

2015年(平成27年)以降、このようなコラボレーションはさらに多様化し、規模も拡大していきます。2018年(平成30年)には、人気アニメ「進撃の巨人」と「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(大阪府大阪市)がコラボレーションし、大規模な体験型アトラクション「進撃の巨人・ザ・リアル」を展開。これは従来のお化け屋敷の常識を超え、アニメの世界観を忠実に再現した没入型体験として高い評価を得ました。

このように、ホラーというジャンルに分類される映画やゲームなどとのコラボレーションが、近年のお化け屋敷の特徴です。お化け屋敷を運営する側は、明確なコンセプトを打ち出してお化け屋敷をプロデュースできるため、楽しむ側にとっても分かりやすいと言えます。一方で、映画やゲーム側にとっては、作品の世界観を来場者に体感してもらうことで、直接・間接的な宣伝が可能。これにより、お化け屋敷とメディアとの相乗効果が生まれる点がコラボレーションの魅力です。

お化け屋敷プロデューサーなる職業も

運営会社がコラボレーションを行う一方、様々なお化け屋敷を手がける「お化け屋敷プロデューサー」と呼ばれる職業もあります。その第一人者として知られるのが「五味弘文」(ごみひろふみ)氏です。五味弘文氏は、東京ドームシティアトラクションズの「呪いの黒髪屋敷」や「怨霊座敷」(おんりょうざしき)など、数々の話題作を手がけてきました。2013年(平成25年)には、自身がプロデュースしたホラードラマ「悪霊病棟」と連動したお化け屋敷イベントを、東京・大阪・名古屋で展開。メディアミックス戦略(複数のメディアを組み合わせる広告戦略)の新たな可能性を示しました。

現在は、既存の映画やゲームとお化け屋敷とのコラボレーションが数多く行われています。しかし、富士急ハイランドの戦慄迷宮をテーマにした映画が製作されたように、今後はプロデュース戦略によってお化け屋敷が進化し、お化け屋敷自体の人気が高まって映画やゲーム化されるといった、これまでとは逆の流れも期待できるでしょう。

お化け屋敷プロデュースのさらなる進化

お化け屋敷は、現代の技術と創造性を融合させることで、より没入感のある恐怖体験を生み出せるようになっています。また、最新のVR(仮想現実)技術やAIを活用することで、来場者一人ひとりに合わせた恐怖体験の提供も可能。さらに、驚かせるだけの仕掛けではなく、深い物語性を持つ体験へと昇華させているのも特徴です。

「オバケリア VR」は、VRを活用したホラーアトラクションを展開し、プレイヤーの行動や選択によって異なる恐怖体験を提供。AIがプレイヤーの心拍数や行動データを分析し、驚かせ方を変える仕組みを導入しています。また、「ホラー実体験室 脱出病棟Ω(オメガ)」は、謎解き脱出ゲームとホラーを融合させたアトラクション。限られた時間の中で脱出しなければならず、プレイヤーの心理的恐怖を最大化しています。

このように、お化け屋敷のプロデュースは、エンターテインメント業界において、常に進化を続ける分野なのです。

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