テーマパーク情報
遊園地でライブ、脱出ゲーム、街コン/ホームメイト
最近の遊園地は、従来のアトラクションに加え、多彩なイベントを開催することで新たな魅力を生み出しています。ジェットコースターや観覧車といった定番の乗り物だけでなく、音楽ライブや謎解きイベント、期間限定の特別企画など、多様な体験を提供することで来場者の興味を引き付けているのです。これらのイベントは遊園地に新鮮さをもたらし、リピーターの増加にも貢献。また、従来の家族連れやカップルだけでなく、音楽ファンや謎解き愛好者など、これまで遊園地との接点が少なかった新たな客層の開拓にも成功しているのです。「遊園地でライブ、脱出ゲーム、街コン」では、遊園地で開催されるイベントの新たな傾向を紹介しながら、その魅力と意義を探っていきます。
ライブ会場になる遊園地

音楽フェスは、夏の風物詩のひとつです。広い敷地を確保できる遊園地やテーマパークは、音楽フェスの会場となることも少なくありません。2007年(平成19年)から開催されていた「TOKAI SUMMIT」(トーカイサミット)は、開始以来、三重県桑名市の「ナガシマスパーランド」で行われ、全国的にも大規模な音楽フェスへと成長。2016年(平成28年)に惜しまれつつも開催を終了しましたが、楽しみが詰まった遊園地は、様々な音楽が楽しめるフェスにもぴったりの場所という認知が広まるきっかけのひとつになりました。
また、「富士急ハイランド」(山梨県富士吉田市)は、屋外ライブ会場「コニファーフォレスト」を併設。周囲には針葉樹(コニファー)の森が広がっており、自然豊かな環境でライブを楽しむことができます。最大で約2万人を収容できるため、音楽フェスだけでなく、過去には「ももいろクローバーZ」や、「L'Arc~en~Ciel」(ラルクアンシエル)といった様々なアーティストもライブを実施。遊園地を併設する独特の雰囲気と、富士山を背景に緑豊かな環境でライブを楽しめるのが魅力です。
遊園地がライブ会場になる場合の遊園地側のメリット
ライブやフェスを行うことにより、アーティストのファンに会場となった遊園地の魅力を知ってもらえるため、遊園地側にもメリットがあります。
例えば、来場者がライブの前後に遊園地のアトラクションを楽しんだり、飲食施設を利用したりすることで、遊園地本来の魅力を体験。「また、来たい」と思ってもらえたら、ライブ以外の目的で再訪する可能性が高まるのです。
また、ライブやフェスの開催は、遊園地のブランドイメージ向上にも貢献。人気アーティストのライブ会場に選ばれることで、遊園地自体の知名度や注目度が上がり、若者を中心とした新たな顧客層への訴求力が強まるのです。さらに、ライブやフェスの開催時期を戦略的に設定することで、遊園地の閑散期における集客増加も期待できます。
人気イベントの遊園地版に注目
近年、遊園地で行われるイベントで人気を集めているのが、設定した物語に沿って遊園地からの脱出に挑戦する「脱出ゲーム」です。過去には、「よみうりランド」(東京都稲城市)やナガシマスパーランドで開催。大半が夜の遊園地で行われ、昼間のにぎやかな雰囲気とは異なる園内の雰囲気が、より物語を盛り上げています。
また、見る機会の少ない閉園後の遊園地を見られるのも、脱出ゲームが人気を集める理由のひとつ。一方、遊園地側は閉園後の遊園地を利用しているため、通常営業以外の収益を見込むことができます。遊園地での脱出ゲームは会場、参加者ともにメリットがあり、魅力的なイベントと言えるのです。
最近では、脱出ゲームに季節性やテーマ性を持たせたバージョンも登場。例えば、ハロウィーンシーズンには恐怖感を演出したもの、クリスマスシーズンには雪や聖夜をモチーフにしたものなど、季節ごとに趣向を凝らしたイベントが開催されています。
さらに、最近増えているのが「遊コン」。遊コンは、様々な街の飲食店などが協力して行う出会いイベント「街コン」の遊園地版です。参加費に園内のフリーパスが含まれていたり、閉園後の遊園地を利用したりするため、基本的に園内のアトラクションが乗り放題になっているのが特徴。もともと、多くのカップルがデートスポットとして利用する遊園地だけに、男女の交流を図る街コンのコンセプトにもぴったりです。
このように、時代の流行に合わせながら、遊園地という特殊な施設を最大限に利用したイベントは多くの人々の人気を集め、今後も様々なイベントの開催が期待されます。