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ジェットコースターが
好きな人と苦手な人/ホームメイト
ジェットコースターは、遊園地やテーマパークの代表的なアトラクションですが、人々の反応は大きく2つに分かれます。高速で急降下する刺激を楽しむ人がいる一方、その刺激を恐れる人もいるのです。なぜこのような違いが生まれるのでしょうか。「ジェットコースターが好きな人と苦手な人」では、ジェットコースターに対する好き嫌いの理由を科学的な視点から解説し、苦手な人向けの克服法も紹介します。ジェットコースターの魅力と恐怖の正体に迫ってみましょう。
好き・苦手が分かれる、あの「ふわっと感」の正体とは?

ジェットコースターの大きな特徴であり、好き嫌いを分ける要因となっているのが、急降下する際の「ふわっと感」です。この独特な感覚は、物理学的には「無重力」または「マイナスG」(マイナス重力)状態として説明することができます。
通常、私達は地球の重力を常に感じながら生活していますが、ジェットコースターが急降下する瞬間、車両の落下速度が重力加速度と同じか、それ以上になることで、乗客の体は一時的に「無重力」または「マイナスG」の状態に。この状態では、体が軽くなってふわりと浮く感覚を覚えます。特にマイナスGが強い場合、内臓までもが浮こうとするため、より強い「ふわっと感」を体験することになるのです。
この感覚の受け取り方には個人差があり、楽しめるか否かがジェットコースターの好き嫌いを大きく左右します。船酔いしやすい人は、この「ふわっと感」を感じる能力が比較的強い傾向です。これは、内耳にある平衡感覚を司る感覚器官「前庭系」(ぜんていけい)の感度の違いによるものと考えられています。前庭系の感度が高い人は、わずかな重力変化も敏感に感じ取るため、ジェットコースターの急降下時のふわっと感をより鮮明に体験。この高感度が災いして、乗り物酔いを起こしやすい傾向になるのです。
やみつきになるのは「ドーパミン」のせい?
ジェットコースターを好む人々は、そのスピード感やスリル、爽快感に魅了されています。
スピード感やスリル、爽快感が魅力的に感じられる理由のひとつは、神経化学的な要因です。ジェットコースターに乗ると、脳内で「ドーパミン」と呼ばれる神経伝達物質が分泌。ドーパミンは、快楽を感じる脳内報酬系を活性化させる神経伝達物質として知られ、分泌されることによって強い快感や興奮を覚えます。

例えば、「ナガシマスパーランド」(三重県桑名市)のジェットコースター「白鯨」(はくげい)は、最大加速度が約4Gです。これは、F1レーサーが感じる加速度に匹敵し、日常生活では決して味わえない重力。このような極端な体験が、脳を強く刺激し、大量のドーパミン分泌を引き起こすのです。
なお、ドーパミンの分泌は、報酬系と呼ばれる脳の機能と深くかかわっており、行動に対して快感を覚えると、その行動を繰り返したくなる傾向を生み出します。これが、ジェットコースターに「また乗りたい」と思わせる原因です。また、ジェットコースターに乗ることで生じる心拍数の上昇や興奮状態がドーパミンの分泌を促進し、恋愛感情に似た生理反応を引き起こすという研究結果も報告されています。
おすすめの克服法
ジェットコースターが苦手でも、友人と一緒にあのスリルを楽しみたいと思っている方も多いのではないでしょうか。そんな方々のために、克服法をいくつか紹介します。
「目をつぶる」は逆効果!?
多くの人が恐怖のあまりやってしまう「目をつぶる」は逆効果です。目を閉じることで予期せぬ動きへの恐怖感が増し、さらに視覚情報と前庭系からの情報のミスマッチにより乗り物酔いを引き起こす可能性が高まります。できるだけ目を開けて進行方向を見ることで体の動きを予測し、恐怖感を和らげるようにするのがポイントです。
前方に乗車して腹式呼吸で整える
ジェットコースターの恐怖を克服するには、乗車位置も重要です。可能であれば前方の座席を選びましょう。後方の座席、特に一番後ろは急降下時に最も速度が出る位置であり、マイナスGの影響も強く受けます。前方であれば比較的穏やかです。
また、呼吸も「ふわっと感」を軽減する効果的な方法のひとつ。急降下の前の上昇中に腹式呼吸のように大きく息を吸い、下降が始まったら鼻から少しずつ息を吐き出します。この際、腹筋に力を入れることが重要。これによりマイナスGの影響を軽減し、「ふわっと感」を和らげることができます。
子ども向けのコースターから始めてみよう!
いきなり大型のジェットコースターに挑戦するのではなく、小さな子ども向けのコースターから始めて徐々にスリルのある物へ移行していくのも良い方法です。体験を重ねることで恐怖心が和らぐ可能性があります。
その他、十分な休憩や水分補給など、乗車前の準備も重要。万が一の酔いに備えて、酔い止め薬を用意しておくのもおすすめです。
